共立電子では Wonder Pureブランドでパワーアンプの基板完成品を多数販売しています。
手軽に高音質のパワーアンプが手作りできますので、クラフトオーディオファンおよび電子工作
ファンの皆様からご支持をいただいているのは嬉しいかぎりです。
ただ、これらのアンプ基板は「家庭における音楽鑑賞」用途を前提にしていますので、出力は5W程度に抑えたものがほとんどです。
一部の中~上級クラフトオーディオファンの方々から、音質を犠牲にせずに、もう少し高出力のアンプ基板完成品が欲しい・・・というお声を頂戴しておりました。
そこで、DC±22Vを印加すれば出力20Wが得られるパワーアンプの基板完成品を新発売さ
品名 高音質モノ・パワーアンプ基板完成品
・品番 WP-AMP7294V2
https://eleshop.jp/shop/g/g402789心臓部になるパワーICにはSTマイクロ社のTDA7294を採用しました。
海外の高級・高額アンプにも採用されていて、音質には定評のあるアナログパワーICです。
実は数年前まで同じパワーICを採用したアンプ基板完成品を商品化させていただいておりましたが、今回、パーツを大幅に見直して音質をグレードアップ。
品番の末尾にV2(バージョン2)を追記して再登場させたものです。
クロストークを無視できて、ハイエンドアンプを手軽に製作できるよう「モノ」パワーアンプとしました。(ステレオには2台必要です)
左端に見える赤色の四角い物体は、音質に大きな影響を与える「入力カップリングコンデンサ」
です。
ドイツ「WIMA」社のポリプロピレンフィルムコンデンサを採用しました。
もっと小さなものでも耐圧的にはOKなのですが、音質最優先で耐圧400Vの大型コンデンサを採用しています。
TDA7294パワーICは終段のパワーデバイスにFETが採用されています。
これが大きな特長で、一般的なバイポーラトランジスタと比較して奇数次の歪が少なく、「しっとりとした上品な音」が特長になっています。
というわけで、周辺パーツもこの音質を活かすべくオーディオ専用品を厳選して採用しました。
印加電圧はDC±22V、負荷抵抗は8Ωです。
これによりますと、周波数1kHz(青色の線)の出力は
歪率 0.004%時 ⇒ 10W
歪率 0.01%時 ⇒ 15W
歪率1.0%時 ⇒ 20W
が得られることになります。
ステレオにしたときはこの2倍になりますので家庭用としては充分なパワーでしょう。
ポツンと一軒家でもないかぎり、ご近所からクレームがきます。
一般的には歪率 10%のときの出力を最大出力と表記するのですが、音楽鑑賞用としては不適なので上記のように歪率ごとの出力を表記させていただきました。
私は、3極管を使った無帰還シングルアンプにも取り組んでいるのですが、出力1W時に歪率
1%を下まわること・・・というのが目標になっています、
このグラフを見ると3ケタ違う・・・ということでにわかには信じられない歪率に驚いています。
もっとも、歪率と音質がリンクしないのがオーディオのおもしろいところなのですが・・・
このアンプは真空管ファンの皆様にも納得していただける音ではないかと思っています。
出力 1W時の周波数特性です。
一般的には、1kHzを基準にして -3dBの範囲を表しますので、20Hz~100kHz以上ということ
になります。
アナログアンプらしくオーディオ全帯域にわたってフラットな特性を得ることができました。
これを参考に適当なケースに組み込んでいただきますと、モノ・パワーアンプを完成させることができます。
オーディオファンにはおなじみの「タカチ電機工業」製のアルミケースに組み込んだ製作事例を
・アルミケース 品番 HIT17-6-18SS
幅174mm 奥行180mm 高さ60mmのコンバクトでスタイリッシュなモノ・パワーアンプを製作することができました。
2台のアンプを左右のスピーカーの近くにセットすれば、音質に影響を与えるスピーカーケーブルを最短にすることができます。
そのとき、2台のパワーアンプの音量を同時に調整するには「パッシブコントローラ組立キット」を
使用すると使い勝手がよくなります。
WP-PC33 パッシブコントローラー組立キット
https://prod.kyohritsu.com/WP-PC33.html
高音質&高出力のパワーアンプを手作りしたい方におすすめです。
このブログを参考に取り組んでいただけましたら幸いです。
担当・・・OGU





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